著者の小沢道雄（どうゆう）さんは山梨県東八代郡中道村（現在の甲府市中道町）で大正９年に誕生。もしご存命であれば103歳にあたります。小沢さんは僧侶として修行中の20歳の時徴兵され外地に出征、北朝鮮で敗戦を迎えます。シベリヤに抑留されるなかで重度の凍傷に冒され、両足を切断。その後、奇跡的に帰国を果たします。しかし、戦後の混乱の中で、両足の無い自身の生き方を探すことは容易なことではありませんでした。放浪の末、小沢さんは岐阜県関ケ原町妙応寺の木船老師と出会い、入門。後に大垣市の法永寺を復興、住職に就任。この地で親交をもった内山興正老師のすすめにより自身の経験を執筆。本は昭和51年、東京柏樹社より刊行され、そのたぐいまれな内容によりたちまちのうちに版を重ねました。また、植木等さんの熱意により映画化も実現しました。この令和版は柏樹社版を底本とし、付録として一編を加えたものです。
Cover Photo by Shozo Okita.

令和再編集の「続・本日ただいま誕生」です。旧「続」は小沢道雄（どうゆう）さんがお亡くなりになった後、上巻に納めきれずに残った原稿と月刊誌等に投稿された文章を1冊の本としてまとめたものでした。この版は上巻とのつながりを明確にし、小沢道雄師に関わる文章を一連の流れとしてお読みいただけるよう再編集いたしました。柏樹社版にならって2部構成とし、第１部は上巻の続きとなる関ヶ原妙応寺、大垣法永寺での生活。第2部は月刊まみず誌、新聞等への寄稿文が主です。付録として追想文１編を加えました。この版を編集、発行するにあたり、初版（柏樹社版）の発行にご尽力された関係者の皆様に深く深く感謝いたします。
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